オンラインミニ中国語講座992 外卖バブルの終焉？中国フードデリバリー業界の現実とは
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近年、中国のフードデリバリー業界は急成長を遂げ、注文数やユーザー数は記録的な数字を更新し続けています。とりわけ2024年以降、EC大手の参入により、外卖（ワイマイ：デリバリー）業界では激しい補助金合戦が巻き起こっています。京東（JD.com）、アリババ、美団（Meituan）といったIT企業が市場シェアを巡って大規模な値下げキャンペーンを展開しており、短期的には注文数が急増しています。
しかし、このような「資金を燃やす」かのような急拡大は、実は不安定なバブルである可能性も指摘されています。たとえば、京東とアリババはそれぞれ800億元以上を投じ、美団も応戦せざるを得ませんでした。データ上は、即時配送の1日あたり注文数が1億件から2.5億件へと急増していますが、業界関係者によると、その多くは価格に釣られた一時的なユーザーであり、価格が戻ればすぐに離れてしまうという不安がつきまといます。
さらに問題なのは、フードデリバリー事業自体の利益率が非常に低いことです。美団の発表によると、外卖事業の純利益率はわずか4%程度で、インターネット業界でも最低水準とされています。こうした構造のもとでは、価格競争を続けても長期的な成長は見込めず、データ上の成長と実際の価値にギャップが生じます。また、店舗側も多くの注文を受けながらも利益が減少し、時には赤字を出しながら販売を続けざるを得ない状況に陥っています。このような状況に対し、中国の市場監督当局も反応を示しています。主要プラットフォームに対して、二度にわたる是正勧告を行い、「プロモーションの適正化」や「理性的な競争参加」を求めています。これは単なる行政介入にとどまらず、業界全体が健全な方向へと進むための重要なメッセージとも言えるでしょう。
中国のインターネット業界は、かつての急成長期を終え、いまや「ストック型競争」の時代に入りました。ユーザー数や市場の拡大だけでは利益が見込めなくなり、各社は限られたパイを奪い合う構図になっています。こうした中で勝ち残るには、低価格よりもサービスの質や効率、そして技術力が試されます。補助金で膨らんだ泡がはじけたあと、地に足をつけて価値を提供できるプラットフォームこそが、長く生き残ることになるでしょう。
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