オンラインミニ中国語講座1032 人気観光地でも予約ガラガラ？——中国民宿業界、“淘汰の夏”が始まった

2025/08/23
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2025年の夏、中国各地の民宿業界が思わぬ“寒波”に見舞われました。新疆・禾木、雲南・大理、人気の海辺リゾート・阿那亜（アナヤ）など、かつては「一部屋も取れない」ほどの人気を誇ったエリアでも、今年は宿泊率・収益ともに大幅に低下。直前予約でも簡単に部屋が確保できる状況となり、関係者の間では「回復どころか、赤字覚悟の夏」との声も上がっています。
主な要因のひとつは、経済全体の冷え込みによる家計の旅行予算削減。加えて、過去10年で民宿の登録件数は約3万軒から30万軒以上に急増。需給バランスが崩れ、価格競争が激化しています。多くの宿が割引を行い“満室”を目指すものの、価格を下げすぎた結果、収益が追いつかず、経営は一層苦しくなっています。また、民宿本来の“魅力”も失われつつあります。かつては家主が自宅を開放し、温かみのあるサービスやユニークな空間が特徴でしたが、現在は多くが不動産投資型の賃貸運営に。家賃や固定費の上昇に加え、スタッフのサービス水準にもバラつきがあり、「写真と違う」「設備が不完全」といったクレームも増加。旅行者にとっては“当たり外れ”のリスクが高まり、安定した品質を求めてチェーンホテルへと流れる傾向が強まっています。さらに、予約プラットフォーム側の流入数も伸び悩み、ユーザー獲得のために宿泊施設同士の低価格競争が熾烈に。結果として、広告費や手数料を考慮すると「儲からない満室」すら珍しくない状況となっています。
一部の民宿経営者は、「高額投資をして運営に自信がないなら、設備が新しいうちに売却・撤退を検討すべき」と警鐘を鳴らしています。市場はすでに“新規参入による成長”から“既存施設の競争”へとフェーズが移行しており、今後は品質・特徴・コスト意識のある宿泊施設だけが生き残る“本格的な選別時代”が始まると見られています。
この夏の不振は、今後の中秋節・国慶節シーズンにも影を落としそうです。民宿業界が“冬の時代”を乗り越えるには、単なる価格競争から脱却し、サービスと体験の質をどう再構築するかが問われています。

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