水墨画(すいぼくが)あるいは墨絵(すみえ)は水と墨を使って描かれ、「墨」一色で表現される絵画です。中国絵画の主流として「国画」と呼ばれています。実は、東京池袋の中国語教室―Only語学塾に来る前に、私は中国で水墨画を学んだことがありました。今日Only語学塾は皆さんに「水墨画」の道具とジャンルを紹介させていただきます。
水墨画の一番の特徴はすべての色が墨の濃淡と明暗で表現されています。描く時は専用の「筆墨紙硯」という四つの文房具が不可欠なものであります。
「筆」は毛筆(中国語:máo bǐ),メイクブラシに似っている中国伝統的な画材です。伝統的な筆の毛の部分には様々な動物の毛を使っており、毛の硬軟によって弾力性や吸水性が違いますので、種類が三つに分かれています。それぞれは剛毛を使う「硬毫」、柔毛を使う「软毫」、剛毛と柔毛を混用する「兼毫」であります。記念用品などには人毛も使われることもあります、例えば赤ちゃんの大切な「ファーストヘアカット」を記念するための胎毛筆です。
「紙」は常に宣紙(中国語:xuān zhǐ)が使われており、日本では「画仙紙」と呼ばれます。宣紙は中国紙の代表的な品種として、色白く墨の吸収がよい、耐久性が高い、虫を寄せ付けにくい性質を持ち、長期保存に最適とされています。ですから、宣紙は中国唐時代から千年以上も愛用されている上質書画用紙であります。
「硯」は硯台(中国語:yàn tái)、墨を水で磨るために使う石や瓦等で作った文房具です。
「墨」は油煙や松煙を膠にかわで練り固めた物、磨る時の加水量によって、異なる色合い(黒、白、灰色)が描かれています。基本的な水墨画は白黒だけですが、画材に色素を加えた後にはカラフルな水墨画もあります、このような絵も「彩墨画」(中国語:cǎi mò huà)と呼ばれています。
水墨画の技法によって、主に「写意画」と「工筆画」二つのジャンクに分かれています。簡単に言えば、写意画は対象の「意」(本質、精髄)を描こうとする技法です。絵全体的にはすごくシンプルですが、対象の最大の特徴を把握することができ、そのうえに作者の感情もより直接的に表現します。
それに対して、工筆画は対象の輪郭線を精密に描き、色彩が豊富な彩色画です。工筆画をみるときに、その絵は画家さんが時間をかけて、きちんと描いたもののことも感じました。この技法は作者の感情より絵の精密さとリアリティを求めています。
同時に同一の対象を描いた工筆画と写意画をみると、この二つの技法の大きな違いが明らかになります。下の二つの水墨画はすべて金魚とハスを描いていますが、人に与える感覚は非常に異なっています。左は写意画、右は工筆画です。写意画は作者自分の態度と感情が表れて、シンプルで描いた金魚だけど、泳ぎの動感も感じます。工筆画は凄く精密で、本当の金魚と蓮みたいに、魚の鱗と蓮の葉の影さえもきちんと描いています。同じテーマですが、写意画は数分間でできています、工筆画は少なくとも数ヶ月をかかるかかもしれません。
我々の中国語教室が所在する池袋の周辺の美術館にも、たくさんの優秀な中国と日本の水墨画が展示しています。時間があればぜひ足を運んで、自分の目で水墨画の魅力と美しさを体験してください。