「宰相」の物語

 「宰相zǎixiàng」とは、中国古代の官吏の一つで、君主に任ぜられて宮廷で国政を補佐する者のことです。今の官僚制度から言いますと、内閣総理大臣相当です。

 宰相になれた人は知識だけではなく、度胸・度量などにも優れている者に間違いないです。従って、中国では“宰相肚里能撑船zǎi xiàng dù lǐ néng chēng chuán”ということわざがあります「宰相の度量は船を浮かべて竿をつくことができ空間ほどの大きいなものだ」。今日は皆様に宰相の度量をめぐる面白い物語を教えたいと思います。

 年代の分からない大昔の話でした。ある日、宰相は理髪師に頼んで自分の顔の手入れをさせていました。手入れが半分にまで行った時に、理髪師はうっかり宰相の眉毛を剃り落してしまいました。理髪師は、心の中で悲鳴をあげて、ひどく驚き恐れていました。もし宰相が罪を咎めれば、自分は絶対に殺されると思って、だから何とかしないと!

 幸い聡明な理髪師は、「大いに賞讃すれば、怒りの感情は必ず治まる」という人の心理の機微をよく知っていました。彼はとっさの知恵を働かせて、急いで作業中の手を止めて、わざと両目でまじまじと宰相の腹を見つめていました。宰相はその様子を見て、戸惑いながら尋ねました。「君は私の腹を見つめて何をしているんだ?」理髪師は慌てて言い訳をしました。「人々はいつも、宰相のお腹に船を浮かべて竿をつくことができると言っています。私が見たところ閣下のお腹はそんなに大きくないので、どうして船を浮かべて竿をつくことができましょうか?」

 宰相は聞き終わって、思わず大いに笑いました。「それは宰相の度量が大きいので、人の扱いやものごとのやり方が寛大で慈悲に満ちているということだな。」理髪師はその言葉を聞き終わると急いで宰相に言いました。「閣下、大変申し訳ございませんが、私は先ほど手元が狂ってあなたの眉毛を剃り落としてしまいました!閣下は度量がございますので、どうぞ私をお許しくださいますよう!」宰相はそれを聞くや、怒りを抑えきれずに言いました。「眉毛がなくて私はどうやって人と会うんだ?」まさに怒ろうとした時に、また自分がさっき言った言葉に思い至って、その程度の小さなことで彼を罪に問えなかった。仕方なしに、冷静にならざるを得ず、闊達に言いました。「さあ、君は筆を持って来てくれないか。私に眉毛を描いてくれたらそれでいい。」そのようにして、理髪師は自分の機知のおかげで、まず宰相を賞讃して、その後で自分の誤りを打ち明けて、災難を逃れることに成功したのです。

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